楽器を練習していると「この弾き方を選んでも良いんだろうか」と悩む場面が出てくると思います。
例えば私は、レッスンで先生に「怖いかもしれないけど、もうそろそろ力に頼った弾き方じゃなくて、脱力して弾けるように、練習していかないとね」と言われました。
そうなんです。今までの弾き方から、大きく変えるときには、恐怖心があるのです。
それを乗り越えると、さらに上のステージまでいくことが出来ます。
恐怖心の正体は「弾けなくなるかも」という不安
弾き方を変えるときの不安って、「今までの自分の演奏技術のレベルより下がってしまうかも」というものです。平たく言うと「下手になったらどうしよう」という不安ですね。
誰でも、時間と熱意をかけて、コツコツと演奏技術のレベルを上げてきたのです。
それを手放すのは勿体無いし、なにより今までと違う弾き方な訳だから、上手くいくか分からなくて怖い。
こんな気持ちになります。
でも、弾き方を変えないままだと、どこまでいっても、そのステージにいるしかないのです。
ステージを上げる、つまりレベルを上げるには、一旦、自分が築き上げてきた技術を手放す必要があります。
弾き方にこだわりを持たない方が良い
私は、自分の演奏スタイルに、こだわりや執着がありません。
例えば、もし先生に「明日から、弓の持ち方を変えください。」と言われたら、素直に変えます。
「長年、この持ち方で弾いてきたので変えられません。」なんて、少しも思いません。
なぜかと言うと、変えた方が楽しいからです。
今まで自分がしたことがない演奏スタイルに変更してみたら、どんな変化があるんだろう、という好奇心があるのです。
あと、プロのように上手に弾ける訳でもないのに、今までの自分の弾き方に固執するのは、勿体無いです。
そのままのレベルで止まってしまうから。
一旦下がっても上がりますよ
演奏スタイルや弾き方を変えたら、やはり、一旦、自分の演奏技術のレベルは下がります。
弓の持ち方を変えたときは、先生から「マハナさん、前のレッスンでは問題なかったけど、今回は音にムラがあるね」と言われてしまいました。
でも、レベルが下がるのって、その時だけです。
その弾き方に慣れてきたら、また以前と同じように弾けるようになるし、むしろ、以前よりも上手に弾けるようになっています。
最悪、弾けなくなってしまったら、変更する前に戻せば良いのです。「こちらの方向に進むと上手くいかない」ということが分かったことは、とても大きな収穫です。
正しい方向に向かって、弾き方を変え続けることが、上達する為のコツなのです。
まとめ
最短で上手になりたい、と思う人がいるかもしれませんが、それは良くないです。
失敗したり、レベルが下がる経験がないと、どこに進んだら上達出来るのか、分からなくなるからです。
自分より上手な人から「こう弾き方を変えてみたら?」と言われたら、まず素直に試してみてください。
一旦レベルが下がっても、練習しているうちに上がる。
その経験をしていれば、上のステージに進む勇気が出るし、上達する感覚が分かるようになりますよ。